濃密

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一つずつ、振り返り。

頼むから静かに死んでくれ
作・演出:ワジディ・ムアワッド(カナダ・フランス)
@静岡芸術劇場

自分のルーツを考えるとか
国が抱える問題と向き合うとか
血のつながりとか
祖国を想う気持ちとか

日本で生まれて、何の疑問もなく、
日本で暮らしている私は、
ほぼ考えたことのない部分。

戦争とか亡命とか、
目の前に実在する死とか、
死と隣り合わせの生とか。

生きることの意味とか、
いきることへの想いの濃さとか、
私のいる世界は、ぬるいんだろうなと思う。

休憩無しの160分という長編。
中盤で大道具がバタンと転換。
照明の具合も変わって、
それまでの葛藤から外へ動き出す転換。

衝撃的な出来事にぶつかると、
人はそこで立ち止まってしまう。
立ちすくんでしまう。
それをなんとか消化して、
新たな自分を確立しなければならない。

内面をのぞきこんでいるかと思いきや、
客観視された捉え方に移動。

舞台で唯一ともいえる小道具の椅子は、
4本足のうちの1本が折れている。
不完全。不安定。

湧きあがるとどめられないエネルギーを、
密度の濃いペンキが有無を言わせぬ主張をする。
白と赤と青のペンキ。
フランス国旗のこの色を使ったことにも想いが感じられる。

探し続けなければならない。
必要なのは、
向き合う勇気か。

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by artandact | 2010-06-21 23:39 | 舞台