天井のない空間

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今年初めての虹をみた。
ほんの束の間。

静岡芸術劇場での観劇後、
バスで舞台芸術公園へ移動。

山道を登っていく。
こんな山の中だったっけ?
次の公演は、野外劇場。
雨、大丈夫だろうか・・・。

だんだん視界がひらけてきて。
もうすぐ停留所へというところで、
雲の合間から、沈む直前の太陽の光が、
重く重なる雲に一瞬の輝きを映し出した。

バスを降りて空を見上げてときには、
もう雲は色彩を失いつつあった。

山の土の匂いがする。
湿気を含んだ木々のざわめき。

王女メデイア
台本・演出:宮城聰
@舞台芸術公園 野外劇場「有度」

山の上の野外劇場の客席は、満席。
風の音、鳥の鳴き声をBGMに舞台が始まる。

ク・ナウカの公演もみたことがなかったので、
宮城聰氏の演出作品は初めて。
この一作品を観ただけで語ることは到底できないけれど、
国や時代設定、劇中劇というスタイル、
演者とナレーションという表現の持つ意味、
時代性の取り入れ方など、興味深いつくりだった。

野外劇場で初めて観劇した鈴木忠志氏の演出作品は、
『シラノ・ド・ベルジュラック』だったかなと思うんだけど、、、
自然に囲まれた空間の雰囲気に、コロスの声が響き、
不思議な神秘さを感じて、ぞくっとした記憶があって、
今回もそんな、野外ならではの雰囲気を想像していたのだけど、
本作は、もっと現実寄りのつくりで、
背景の木々に照明があたって、世界がわーっと広がった時には、
野外劇場ならではの空間に、やっぱりぞくっとしたけど、
神秘性というよりは、力強さ、
自然の力を借りた生命力の強さみたいなものを感じた。

何にせよ、野外劇場の天井のない無限の広がりは、
めったに感じられない感覚を引き出すように思う。

いつかまたこの劇場で、
違った演目も観てみたい。

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by artandact | 2010-06-22 23:53 | 舞台