環境
東京という街を離れたら、
普段気付かない感覚が作動した。
たくさんの情報に囲まれる代わりに、
緑の木々に囲まれる。
コンクリ―トやアスファルトには無い、
水分の循環を感じる。
水分を含む空気。
霧がかかっていると、
すべてが美しく神秘的に見える。
私が街中で花を撮りたくなるのは、
それがその空間では貴重な存在だからなんだな。
外国に行って、なにもかもが目新しく感じるのと同じ。
山の中にいると撮る必要性を感じない。
だって、探さなくてもあたりまえのようにそこにあるから。
狭い土でがんばって背伸びをしてる感じじゃなくて、
なんとものびのびと生きていて、それが普通。
大きな自然に溶け込んでしまいそうになる。
私きっと、ここにずっといたら、
世の中から忘れ去られちゃったような気分になってしまうんだろうな。
街中にいても実際は、
多くの人にとっては流れ去ってく風景の一部でしかない。
だとしても、
それでも、この街の構成要素の一部であることに違いはない。
情報量が少ないと不安になってしまうんだな。
駅1面に広告の張り巡らされる東京に帰ってきて、
ほっとしている自分がいた。
そしてまた、
情報の波に飲み込まれそうになって、
逃げ出したくなる自分がいる。
結局、
無いものねだり。
by artandact
| 2010-06-26 00:54
| 感覚