『変身』





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『変身』
1912年に執筆されたそうだ。

約100年前。

以前に一度、
ロシアだったかどこか外国の劇団の来日公演を観た記憶がある。
舞台セットの具合が確か、
天井や壁を這いまわる 虫 から観た視点のような作りになってて、
見せ方が奇抜!って思ったような気がする。

気がする。

記憶って曖昧。
せっかく観に行ったのに、
そのくらいの断片しか思い出せない。

その時の自分の感覚・思考になにかしらの影響を与えたであろうから、
そして、それがその後の自分にきっと影響しているのだから、
それはまあ、それで良いのか、とも思うけど。

『変身』。
演劇論的なことは不勉強で、
この戯曲がどういった解釈をなされているのか知らないけど、
現代の引きこもりや鬱とリンクする作品だなと思った。

言葉が、思いが伝えられない、虫になってしまった主人公と、
虫になってしまった主人公の意を汲み取ることができない家族。

それまで何事も無く、
当たり前という前提のもと流れてきた生活の背後にある、
個々の利己的な思考が浮き彫りにされてしまう。

何かが起こるまで、そこに目を向けようとしない。
何かが起きてしまってからでは遅いのに、
そうなってみないと気付かない、気付こうとしない。
気付きたくない、気付かないふりをしている。
そうなってしまってからも、ちゃんと向き合えない。
当事者ではないという立場を確保しようとする。

そういう人間の性質は、
100年たっても変わらない、
もう変わらない、変えられない。
そういうものなのかな、と思った。

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by artandact | 2010-08-14 10:27 | 舞台